フェラーリからナイキまで、「メタバース」の未来に殺到するブランド各社
米ニューヨーク・5番街にあるナイキ旗艦店(2019年12月20日撮影、資料写真)。(c)STEPHANIE KEITH : GETTY IMAGES NORTH AMERICA : Getty Images via AFP
【AFP=時事】インターネット上の3次元(3D)仮想空間「メタバース」構築はまだ実現には程遠いが、伊高級スポーツ車メーカーのフェラーリ(Ferrari)から米スポーツ用品大手ナイキ(Nike)まで、乗り遅れたくない有名ブランド各社は相次いで実験的な試みを打ち出し、顧客の獲得を急いでいる。
メタバースはやがて今日のインターネットに取って代わるとの予想が白熱する中、仮想現実(VR)空間で遊べる「フォートナイト(Fortnite)」や「マインクラフト(Minecraft)」などのゲームや、ゲーム制作・共有プラットフォームの「ロブロックス(Roblox)」では、すでに「バーチャル商品」をめぐるビジネスが展開されている。
バーチャルなスニーカーを収集するアプリ「アグレット(Aglet)」を創設したライアン・マリンズ(Ryan Mullins)氏は、AAAKOPI「多く(の企業)は『革新か、破壊か、死か』と考えているのだと思う」と語った。
この新しいビジネスの最前線を走っているのはファッション業界だ。バレンシアガ コピーユニクロ(Uniqlo)はマインクラフトでキャラクター向け衣装を配布し、バレンシアガ(Balenciaga)はフォートナイトで服やスニーカーを展開している。
■「ナイキランド」へようこそ
メキシコのファーストフードチェーン「チポトレ(Chipotle)」は、ロブロックスに初の「バーチャルレストラン」をハロウィーン期間限定で出店。実店舗でブリトーと引き換えられるクーポンを配布したり、アバター(分身)用の衣装を提供して宝探しを開催したりした。
フェラーリは7月、新型車「296 GTB」のバーチャルモデルをフォートナイトで発表した。現実世界では来年まで納車を待たないとならないが、ゲーム中ではひと足早く乗り回すことができる。
ナイキはロブロックスに仮想ショールーム「ナイキランド(Nikeland)」を開設。今月13日にはバーチャルスニーカーブランド「アーティファクト(RTFKT)」を買収したと発表した。
物理的な世界を主戦場にする企業にとって、メタバース構想は何よりもまず巨大な実験場であり、広告ターゲットの若者世代に直に働き掛ける手段だ。チポトレは、バーチャルレストランには将来的に「売り上げ増に直結する機会」があるとみている。
メタバースはデータの宝庫でもある。まだ現実世界には存在しない商品についても、消費者の認知度などの貴重な知見が得られる。
ブランド導入に向けて完全にコントロールされた環境を求め、ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)は独自のメタバースを作成した。創業者の生誕200周年を記念して8月に公開した「ルイ・ザ・ゲーム(Louis the Game)」では、デジタルアートの先駆者ビープル(Beeple)の制作したNFT(非代替性トークン)作品を探し集めることができる。【
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